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VenusFort営業最終日

3月27日、22年間の歴史に幕


こんにちは、日本初の「店じまい」専門家、ショップデザイン腰原です。

ゆりかもめの車窓から薄暮の臨海エリアを眺めながら青海駅。目的地は営業最終日となるお台場・ヴィーナスフォートです。

ヴィーナスフォートを含む東京お台場「パレットタウン」は各施設ごとに順次閉館計画が発表されていますが、とりわけデートスポットとして定番だったこの施設には思い入れもひとしおです。入り組んだ館内で散策し(迷っ)たり、中世ヨーロッパの街並みをイメージした内装と館内の雰囲気を楽しませてもらいました。あれは誰と行ったんだっけ…

迷宮のような入り組んだ作りで没入感を高めることで、時間消費を楽しませ購買単価を引き上げる工夫。そして青空から夜空へと約1時間の間隔で刻々と変化する館内アーケード照明の仕掛けは、女性が夕方に購買衝動が強くなるという心理学上の実験結果に基づきその雰囲気を醸成しているんだと聞き、最先端のマーケティングを学んだ気になったのはコンサルティング会社に勤務していた当時の話。

1999年3月に開業し約22年。さまざまな方々の人生に一端を彩ってきたヴィーナスフォート最終日は17:30閉店後も別れを惜しむ多くの方々で賑わい、最後のセレモニーが行われていました。


メッセージボードには青春時代を過ごした来館者の思い出やスタッフさんからの感謝の言葉が多く寄せられ、感慨深いものがあります。

体験価値提供型SCの嚆矢

二子玉川に玉川高島屋ショッピング・センターが開業した1969年が、日本のSC(ショッピンセンター)元年といわれています。
以降、モータリゼーションの進化、ライフスタイルの多様化、郊外型の大型店開発に加え大店法(大規模小売店舗立地法)の施行などを背景に、日本のSC数は一気に増加しました。

2020年末、日本のSC店舗数は3,195カ所(日本SC協会調べ)。
アメリカのような超大型(リージョナル型)が中心ではなく、また老朽化したSCも増えてきています。中規模型で残存マーケット(顧客)を奪い合う構造のなかで、すでにSCはモノではなくコト売りを重視しないといけない潮流となってきています。ちょっと増えすぎた感ありますよね。

いや、ヴィーナスフォートはまさに施設を巡る「体験」を特別な時間として提供してくれた素敵な場所でした。あんな感動をまた再び味わえる場所に出会えるんだろうか。いや、20歳代ならではのピュアな感性がないと巡り合えないのかもしれませんね。
素敵な時間を過ごさせてもらったあの時、このヴィーナスフォートの最終営業日に「お店の終活」でお邪魔することになるとは(笑)まず想像できませんでした。


ありがとうございました。
そして関わった皆様、長い間お疲れさまでした。

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